2017年04月10日

樟のスモークと樟茶鴨

以前フェイスブックに書いたものと同じこと書きます。
検索しにくいというそれだけの理由です。

樟茶鴨と言う名前の料理があります。一般的には樟、茶を使った料理で、お茶の扱いについて大きく分けて二つやり方があるようです。

一つは漬けこみに使うというもの
お茶を使った塩水にアヒルを漬け込み、樟などでスモーク、蒸し、揚げるというもの。

もう一つはスモークに使うというもの
塩水に家鴨を漬け込み、お茶や樟などでスモークし、蒸し、揚げるというもの。

どちらが正しいのでしょうか。そして、樟はスモークに使うのでしょうか。

今回四川で二か所樟茶鴨を食べましたが、どちらも桜のスモークでした。お茶も樟も感じられませんでした。

歴史的にみると樟と樟茶鴨は関係がないようです。

1920〜30年代、四川料理の名店「姑姑筵」の創業者が北京に行ったときに食べた「满汉熏鸭」よりヒントを得て、福建漳州より入るお茶をスモークに使ったアヒル料理を漳茶鸭と名付けた。

その後、お茶が手に入りにくくなって(店の規模が大きくなり量が調達できなかったとの説もあり)樟の葉、四川のジャスミン茶を使って漳州茶の代用とし、「樟茶鴨」と名付けた。

ということで、樟は元々は関係がないようです。しかし現在も樟のスモークはしていることから、まったく無意味ということにはなりませんね。桜でもいいんじゃないかと思います。
posted by オギノ at 00:54| Comment(0) | 中国料理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月08日

陳麻婆豆腐についておもうこと

陳麻婆豆腐についても調査してきました。

本店の、秘密の通路に陳麻婆豆腐の歴史が書いていました。

陳麻婆豆腐については槇浩史さんが麻婆豆腐の伝説という文章を書いています。何度も言ってますが正しくないです。槇さんによるとお店を始めたのが1901年以降。陳麻婆豆腐店の看板、皿には1862年創業。どちらが正しいでしょうか。更には1909年ごろに書かれた成都通覧にすでに成都の名店と記載があります。そんなに早く名店と認知されるでしょうか。

羊か牛かも昔から調べていました。看板に書いているのよかったのですが、書いていません。槇さんは羊と書いていますが、中国の本で羊と書いている本を見たことがありません。牛なら山ほどあります。槇さん以外羊だと書いた日本の本も知りません。あれば教えてください。

看板によると、清朝末年に成都著名食品に選ばれ、二十年代に有名な作家の文章に載り、最後は中国名菜集錦にうちの料理が載ったんだよとあります。最初が羊なら、いつから変わったんでしょうね。
posted by オギノ at 00:48| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月07日

魚香についておもうこと

魚香について日本の中国料理界で騒がしかったので、四川に行ったついでに調べてきました。

調べることは二つ
@泡辣椒は必須かどうか(トウバンジャンで代用可能か)
A薬味は炒めるかどうか(もしくは調味料の入った碗に生のままいれておくか)

調査対象店はたった二つです。
@陳麻婆豆腐店
A夫妻肺片

その前に重慶に行きました。
そこで先輩の師匠(重慶人)にこのことをきいてみました。泡辣椒については聞き忘れたので師匠の師匠に聞いたところ、泡辣椒を使い、トウバンジャンは使わないとのことでした。薬味は先に炒めると言っていました。

陳麻婆豆腐店(豚肉細切り魚香炒め)
何度も怒られてますので、聞ける雰囲気ではありませんでした。ただ、薬味は炒めていました。泡辣椒でした。

夫妻肺片(ナス魚香炒め)
四川省でやっと普通話が使えるようになり、調理場とのコミュニケーションがとれるようになりました。とても喜ばしいことです。ここはまず見て確認し、そのあと身分を明かして(私の連れは日本で一番有名な唐辛子の研究者なんです。わざわざ日本から泡辣椒の調査にきましたので、ぜひ教えてくださいと言いました)、聞きました。泡辣椒については泡辣椒9トウバンジャン1(目視・説明では泡辣椒多め、トウバンジャン少なめ)、薬味は先に炒めていました。

作り方でいえば茄子を揚げてから、油で泡辣椒、青ネギ、生姜、ニンニク、豚肉まで一度に入れて炒めます。水、チキンパウダー、醤油、味の素、砂糖、塩を入れて茄子を戻し、でんぷん、くろずでした。教科書通りに行くと泡辣椒をまず炒めてから薬味を炒めて・・・でしょうが、全部をいっぺんに炒めてるので生っぽいもしくは炒めが浅いという状況になるのではないかと思います。重慶の人に聞くと薬味はしっかり炒めるのが本当とのことですが、重慶と成都の料理は少し違うので、成都でもしっかり炒めないといけないのか、もしくはこれでいいのかわかりません。

トウバンジャンについては入っていることは確認できましたが、では全量トウバンジャンで許容されるのかというと、されないという意見は二度聞きましたが、断定できません。

魚香の名前の由来については諸説ありますが、野菜を乳酸発酵させた汁に唐辛子とフナをつけておき、その唐辛子を使ったからというのが現在の主流です。その後フナを入れるところが少なくなり、現在は唐辛子の漬けものだけで魚香と言っています。ということは、フナがあるから魚香と言っていた料理が、フナがなくなっても魚香と呼ばれるようになり始めたころは、フナがないなんて偽物だという声があったのではないかと想像できます。そうしてみると、泡辣椒からトウバンジャンになるのも時代の流れなのでしょうか。

あと昔は泡辣椒は手切りしていましたが、今はミキサーで荒く刻んでいるようです。見た目はそっくりなのでトウバンジャンとの見分けは遠目からはつきません。食べたらわかりますが混ざっていることもあります。しかし、魚香というからには泡辣椒が(全量ではなくとも)入るというのが現在も生きているのではないかと思います。逆にトウバンジャンでなければだめだという方がいたら教えてください。

あと気になることが一つ。夫妻肺片は現在特級調理師が料理指導に入っています。思ったよりずっと美味しいです(別に行かなくていいです)。しかし、四川の料理は古くは碗献(調味料をすべて碗に合わせておき、いっぺんに加える技術)であったはずですが投げ込みで作ってました。批判を恐れず言えば投げ込みのほうが四川の味になりやすいと僕は考えているのでうちも投げ込みです。そして「いっぺんに味を入れる」という観点から炒め物だとスープを入れた後火を止めて全部の調味料を加えます。酢も先に入れます。茄子だから投げ込みじゃないのという声もあるかもしれませんが、ナスも基本は碗献だと言ってました。

ということでもう少しどさくさで聞きたかったですが、こんな感じです。
少なすぎる調査数ながら、「薬味は先に炒めて、泡辣椒は全量ではなくても必ず使う」とわたしは思います。
次の調査は誰でしょうか
posted by オギノ at 23:48| Comment(0) | 中国料理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする