僕らの時代の就職活動で会社訪問した時は、御飯を食べさせてもらって話を聞いて帰るのが普通だったので、コースを食べさせて少し話をしました。
僕はいまどんな子に対してもいいことだけを言うのを止めていて、いいことと悪いこと半々くらいいいます。たとえば四川や台湾の現地の料理を学びたいという気持ちには応えてあげられますが、日本の好みの中国料理は全く興味ないので、自分のキャリアを考えたときに得なのかどうなのか。うちで働いて別の店に行ったら、例えばうちではむきエビの下味を入れる経験もしないし、エビは洗わなくていいとか言うし、いろいろなことが違っていたり欠けていたりして全く通用しないかもしれないことも伝えます。
偏った地域、時代の料理を広くやる店なので、たくさんの料理を覚えることはできても地元で独立するためには意味ないかも知れない。そもそもうちの料理は年寄りの中国人が食べておいしいものを作ろうとしてるので、若い子は最初は何を目指して作ったらいいのかもわからないと思います。
それでもいいなら来てくださいと言います。僕は積極的に勧めることはしませんし、積極的に止めることもないですが、嫁さんはどちらかと言うと積極的に止めます。まあこんな商売は近い将来破綻するんじゃないでしょうか。そうなったら台湾か四川で死ぬまで店をしようと考えています。
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