まず豆豉についての説明をします。今はスーパーでも売られていますので、知っている方もいると思います。スーパーで売られているような外見の黒い豆豉は日本では二種類あり、一つはコウジカビ型豆豉、もう一つはケカビ型豆豉です。
コウジカビ豆豉はスーパーで売られているもので、大豆をコウジで発酵させます。広東の阳江豆豉が日本に入ってきており、発酵期間が短く品質が安定しています。少しかたいのが特徴です。
ケカビ型豆豉は大豆をケカビで発酵させます。四川の永川豆豉が輸入されており、発酵期間が長く大量生産に向かない代わりに風味がよいのが特徴です。品質が安定しないという難点もあります。当店ではこの永川豆豉を使っており、お客様にもこの豆豉は美味しいとご好評いただいております。福岡の中華料理屋の方はぜひ新栄商行で永川豆豉を取って使ってください。永川豆豉は福岡で売れなくて、終売の案内がたまに来るような状態ですので。
で、今回はまだ日本では手に入らない水豆豉の話です。
豆豉の作り方は豆を軟らかく煮た後、塩漬けして干します。しかし水豆豉は豆を煮た後、そのまま温かいところで発酵させます。この温度がポイントで、二晩同じ温度を保ちながら、糸は引かないまでも粘りが出てくるまで放置します。そしてその粘りが出た豆を、塩水に漬け込んで作ります。同じ温度ではないとケカビ以外のカビがついたりして、発酵ではなく腐敗になります。酸っぱくなったら怪しいので気をつけてください。水につけるから水豆豉ですが、五香豆豉という豆の粒をサツマイモのペーストでつなげて丸くしたものもあります。サツマイモのペーストのようなあんなカビの生えやすいものをどうやって保存するのか、かなり気になるところではあります。
これがうちで作った水豆豉の完成品です。ブログを書くにあたり味見をしたら美味しくて肩透かしを食らいました。捨てようか迷うぐらいのやつを期待していたのに。
僕が作ったわけではないのですがこんな感じで使います。久しぶりにこの写真を引っ張り出してみたんですが、僕の作った水豆豉、この写真を見る限りではいい感じだと思います。
簡単なものなんで、皆さんも自宅で作ってみたらいかがでしょうか。
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